インドネシアの石炭集積場視察 / 2022年

IT

先日インドネシア、スマトラ島の石炭集積場を視察しました。

視察の目的

今回は、インドネシアの石炭運搬企業からの依頼で、ITコンサルタントとして視察しました。

背景として、最近、コロナ禍、ウクライナ戦争を経てコモディティ価格が高騰。
インドネシアの石炭やバイオマス燃料も価格高騰中。

そんな中、石炭運搬データをクラウド上でリアルタイムで管理したいとの依頼でした。

視察結果

ITの改善余地は多数

重量計は、パソコン上のシステムに繋がっており、ボタンをクリックすることで重量入力できる仕様。
しかし、データを使うときは、パソコンからデータをダウンロードし、エクセルで集計している状況。

よって、データ集計の人為的ミスや改ざんが出来てしまう状況でした。

ネットやその他インフラは

また、石炭採掘場付近の石炭集積場は、インターネット回線がないほどの山奥。
途中までは、アスファルトの舗装された道でしたが、ラストワンマイルは、舗装のないデコボコ道。
12トン前後の中型トラックが多数往来していました。

ラストワンマイルは、デコボコ道

「金の生る木」の町

この地域は、地上はアブラヤシ農園で見渡す限りアブラヤシの木がびっしり。
地下には石炭が埋蔵されているというまさに「金の生る木」の地域です。

アブラヤシの木。木の成長に多くの水が必要とされ、スマトラ島とカリマンタン島で多く栽培されています。

現地住民は

しかし、町自体にお金はそれほど落ちてこないようです。

最低限のインフラで、道は左右1車線ずつのみ。
海までの大きな道路はなく、途中からは運河でバージ船に石炭を積み込み、沖合の母船で荷積みをする方式でした。

運河のバージ船。トラックでバージ船まで石炭を運び、荷下ろしをしていました。

運河沿いの港には、石炭集積場、パームオイルの原油用タンク、アブラヤシの殻(石炭の代替品として燃料に使うバイオマス燃料。PKSと呼ばれる)集積場などを船に積み込む施設が数キロに渡って広がっていました。

この地域では、資源は豊富に採れますが、基本的には採掘もしくは収穫して輸送するのみ。
加工工場などはほとんどなく、現地ではトラックドライバーで生計を立てている人が多いようでした。

片側1車線の道。道沿いには、住宅やドライバーを対象にした休憩所や屋台がぽつぽつとある状況でした。
運搬用トラック。このトラックで、石炭やアブラヤシの実など、様々な商品を運んでいました。

エネルギー原料の市況

石炭やPKSの価格は、コロナ禍の2020年頃から急騰しています。
よって、石炭もPKSもWood Pelletも市場価格はどれも同じくらいの価格(約FOB 130 USD/MT)で推移している状況です。
また、エネルギー需要の高まりから、仕入れも非常に困難な状況です。

別件で、日本向けPKSの調達サポートも行っておりますが、アブラヤシ農園のオーナーとのアポ取りが難しくなっています。

今後、10年程度はコモディティの時代が来ると考えています。
そのため、資源が豊富なインドネシアは、今後リッチな国になるのではと期待しています。

石炭集積場の様子