インドネシア人を動かす【5つのポイントを解説】

インドネシア人インドネシア人と働く

日本人同士でも、世代や住んでいる地域によって様々な文化がありますが、外国であるインドネシアは、尚更考え方や文化が違います

例えば、日本でお店の人は「いらっしゃいませ」と言います。インドネシアでは、「(来て)いいよー。どうぞ。」というニュアンスの言葉を使います。
日本人にとっては、上から目線に見えますが、それがこの国の文化です。良い、悪いではなく、文化として受け入れることが大切です

日本のやり方では、インドネシア人との円滑なコミュニケーションはできません
この記事では、インドネシア人を動かすのに必要な5つのポイントを解説します。
インドネシアでインドネシア人と10年間働く私が、10年間の(苦ぁぁい)経験を基に気を付けていることです。皆様のお役に立てると嬉しいです。
早速、結論ですが以下の5つのポイントです。

  1. 怒らない
  2. 我慢
  3. リマインド
  4. 恥ずかしい
  5. 可哀想

怒らない

最近、日本でもアンガーマネージメントという言葉が流行っていますが、インドネシアでは以前から文化としてアンガーマネージメントがありました

「怒り」は未熟者と見なされます。自分の怒りもコントロール出来ない未熟者ということです
ある日系の会社でこんなことがありました。

その会社の社長は、昭和気質の体育会系な社長。インドネシア人には怒りをぶつけることはありませんでしたが、部下の日本人には怒鳴ったりして「怒り」を使って指導をしていました。
そのため、その社長は怖い社長として社内で認知されていました。
ある時、会社をつぶす恐れがあるほどの重大な問題が起きました。しかし、その担当部署は社長の怒りを恐れて自分たちで何とかしようと試みました。結果、自分たちでは解決できないことが分かり、上司へ報告することに。
上司への報告は、問題発覚から3日目のことでした。
その問題は、時間がたてばたつほど、問題が深刻になるものでした。
最終的には、会社はつぶれずに済みましたが、取引先からの信用は大きく失いました。

「怒り」の弊害の一例です。

怒られ慣れていないインドネシア人に「怒り」を使うといいことなし。
プラスの感情で、明るく振る舞いましょう。

インドネシア語で「怒る」は、「Marah/マラ」

我慢

それでは、怒りを使わずにどうすればいいか。
それは、我慢です。

我慢と言っても、怒りの感情をそのまま押し返す我慢ではなく、怒りの感情をうまくそらして、無になり、そこから新たに行動するイメージです
いつもにこやかに。そして、スマートに(論理的に)振る舞う人は、「我慢の人」と高く評価されます。

結果、部下からの信頼を得て、いいチームを作ることができます。

インドネシア語で「我慢」は、「Sabar/サバル」

リマインド

インドネシア人は真面目です。彼らもプライドを持って仕事をします。(仕事品質はどうあれ)自分は、真面目に仕事をしているという意識で働いています。

しかし、「忘れる」ということには、日本人よりも責任感が薄いようです。
「ああ、そうだ!忘れてた!」という言葉を何度聞いたいことか。。。

忘れないようにするために、ポストイットをたくさんパソコン画面に貼る人もいますが、彼ら一人でタスクを管理させることは、やめましょう。日本人も同じかも知れませんが。

そこで、リマインドでサポートしてあげましょう

私は、マクロを使ったツールを使って、自動でリマインドしています
期限付きのタスクリストを作成し、期限切れのタスクは、毎朝、担当者宛(とCCで部署全員)に自動でメール通知するツールを作っています。
私にもCCでメールが届くため、通知が来たら「大丈夫?今日までに出来そう?」と声をかけてあげます。

適度にリマインドすると素直に対応してくれます。

恥ずかしい

あるとき、インドネシア人のベテラン営業マン(Aさん)が支払いの滞っている取引先に支払いの催促に行きました。そのAさんは、絵に描いたような良い人。いつもにこやかで、社内外の関わる人全員に好かれる人でした。そんな彼が、他の人が何度催促しても支払ってくれない会社に訪問すると、なんと直ぐに支払いを勝ち取ってきました。

彼に、どうやって支払ってもらったのか聞いたところ、「相手が恥ずかしい気持ちになるように仕向けた」とのこと。

その会社の経理担当者は、いつも「いつまでに支払う」と支払いを約束するのですが、結局は何度も支払わなかった経緯がありました。恐らく、経営が厳しく、支払いの優先順位を決定する際に、他の支払いを優先し、約束通りの支払いをしてもらえなかったのでしょう。

その日、Aさんは、支払いの約束を取り付け、その会社を訪問しました。経理担当者は、外出しており「会社に戻ったら、支払い手続きをします」と連絡したそうです。そして、Aさんは、経理担当者を夜まで待ち続け「待たせて申し訳ない」という恥ずかしい気持ちにさせたとのこと。

一連のやり取りで、Aさんは常ににこやかにしていました。電話でも相手の気持ちを察する言葉をたくさん使っていました。
「良い人に対しては、良いことをしたい。それが出来ないと自分が恥ずかしい。」そんな気持ちを引き出させた、インドネシアらしい、根気のいる作業です。

インドネシア語で「恥ずかしい」は、「Malu/マル」

可哀想

インドネシア人にとって、「可哀想」は、何かの行動を起こす一番の動機かもしれません。
それほど、頻繁に可哀想というフレーズを聞きます

「この仕事早くやってあげないと、あの人が困って可哀想だよ。優先的にやってあげて。」という感じに使います。この「可哀想」を使うと、「あ、そうですね」と素直にスーッと指示を受け入れてくれる感じがします

私の息子が1歳くらいの赤ちゃんのとき、赤ちゃんを見にインドネシア人の友人が我が家に遊びに来ました。上手にあやしてくれて、息子も大喜び。友人が帰るときには、息子は寂しくて泣き出しました。すると友人は「可哀想だから」と戻ってきて、息子が落ち着くまで一緒にいてくれました。
日本人なら赤ちゃんが泣いても帰っていただろうなと思いつつ、やっぱりインドネシア人は「可哀想」で動くんだなと再確認しました

因みに、インドネシア人の中には、可哀想を乱発し「私が可哀想でしょ!だから、これお願い!」という使い方をする人もいます。ワンピースのうるティを見たとき、「インドネシア人だ!」と思いました。

インドネシア語で「可哀想」は、「Kasihan/カシアン」

ちなみに、ワンピースのうるティについては、こちらから

以上が、インドネシア人を動かす5つのポイントです。
参考になれば幸いです。