最近日本でも健康のために断食をする人が増えています。
世界には、宗教や文化として断食をする人たちがいます。
国民の約9割がイスラム教のインドネシアでは、1年に1か月断食をします。
断食をする月=ラマダーン
断食の期間は、会社も就業時間を1時間ほどずらして、午後4時には仕事が終わります。
そして、帰宅後は毎晩パーティー!!
みんなお腹を空かせて食事ができる時間を楽しみに待っています。
我慢して我慢して、ようやく食べる食事なので、普段より少し豪華な食事を食べることが多くなります。
また、貧しい人にも食事を配る習慣があり、この時期は普段よりも食費が高くなります。
どんなやり方?
朝のお祈りの時間(インドネシアでは、午前4時半頃)から夕方のお祈りの時間(インドネシアでは、午後6時頃)まで断食をします。約13時間から14時間です。
水も飲んではいけないことになっています。
そして、断食明けは甘いものや温かいものから食べます。特に、クルマ(Kurma)と呼ばれるナツメヤシの実は、栄養価が高くみんな食べています。日本ではあまり見ない食べ物ですが、干し柿のような食感で、中に種があり、餡(あん)のような甘さでとても美味しいです。
クルマは中東や北アフリカなどの砂漠の地域原産ですが、日本でも「デーツ」として販売されているようです。
デーツクラウン デーツ ( ナツメヤシ / 無添加 / 砂糖不使用 / 非遺伝子組換え / ドライフルーツ / Khenaizi 種 ) … (500g)そもそも、何故断食するの?
Wikipediaには、「空腹や自己犠牲を経験し、飢えた人や平等への共感を育むことを重視する」とあります。
要するに、空腹という修行をして良い人になりましょうということです。
やらなかったらどうなるの?
妊婦や、高齢者、病気の人は、免除されます。また、女性は整理の期間は、免除されますが、断食の期間が終わった後に、自分で断食しなかった日数だけ断食を行います。
とは言え、やらない人もいますし、人それぞれです。
断食をしなかったからと言って、宗教的にペナルティはありません。
断食って楽しいの?
人口の9割がイスラム教のインドネシアでは、周りの人ほぼすべて断食をしています。
断食明けの食事は、困難を乗り越えた者同士が分かち合える、大切な時間です。
疲れや空腹から解放され、みんな生き生きと蘇ってきて、食事も楽しくなります。
甘いものがたくさん用意されて、家族や友人、会社の同僚などと食事を囲みます。
普段は忙しく家族で食事がとれない家庭もこの時期は、家族みんなで食事をし、家族の連携を深めます。
つらくないの?
仕事をしていればあっという間ですが、はじめは気分転換のコーヒーも飲めないことに戸惑いました。慣れれば、空腹は大丈夫ですが、気分転換が出来ないため睡魔が襲ってきて、やはり生産性は下がります。
日本人から見た断食
断食の期間が終了すると、約1週間の休暇となります。
そのため、多くの人は故郷に帰省します。
(2020年と2021年の今年は、コロナの影響でインドネシア政府が帰省を禁止)
断食という困難を乗り越えて迎える休暇は、日本の正月のようです。
何か新しいことに挑戦する決心の時期でもあります。
常夏で、季節感の無いインドネシアですが、この断食のイベントによって初心にかえり、新しい年を迎えた気分になります。